娘の使った教科書

svelandski2018-07-14

土 旧暦 6 月 2 日 先勝 丁未 二黒土星 Kronprinsessans födelsedag Folke V28 25357 日目

「そのうちに僕もスウェーデン語を勉強するかもしれない。その時に役立つかもしれないから」といふ理由で、娘が小学生の時に使った国語の教科書のうちの1冊を取っておいた。それが別の本を本箱から取り出す時について出て来た。パラパラとめくって見た。娘が勉強した跡がそこかしこに残ってゐる。小さい子が知らない国へ来て、知らない国の言葉を勉強する姿が思ひ浮かんで、急に可哀想な気がした。その頃僕は仕事に追はれてゐたので、娘が学校でどんな勉強をしてゐたのか全く知らずに過ごした。自分の小学生時代を振り返れば、これがもしも自分であったならとても耐へられなかったのではないかとも思った。親よりも子供の方が苦労は大きかったと今頃になって思ふ。ページを繰ればプンと古い時代の匂ひがするその教科書の表紙を手で撫でてやった。